肺がんの放射線療法は、がんができている部分に放射線を照射する治療方法です。それにより細胞のDNAに障害を起こさせて死滅させる効果があり、外科療法や抗がん剤などの治療と組み合わせて行なうことが多い治療です。
放射線療法が肺がん治療に有効なのは、放射線がDNAを壊す働きがあるためです。正常な細胞よりも活動的で成長の早いがん細胞は、細胞分裂が早いだけに放射線の影響も大きく受けて、がんの成長を妨げることができます。
しかし、肺がんの放射線治療には副作用が起きるという問題があります。これは肺がんになった部分の周りの健康な細胞にも放射線が当たるためです。咳が出たり喉が痛むなどの症状が現れ、食道炎や皮膚炎にもなるようです。副作用を抑えるため、ステロイドホルモン剤の投与も行なわれますが、体に大きな負担となる場合もあります。
そのため、肺がんのがん化した部分だけを狙って放射線を当てる、定位放射線治療という方法が選ばれることもあります。がんが小さかったり、外科療法ができないような場合に行なわれます。周囲の正常細胞に与える影響を最小限のものにする、陽子線治療という方法もあります。
放射線療法は、肺がんの状態に合わせて繰り返し行なわれるものです。標準的には、日に一度の放射線照射を一週間に5回行いますが、10回で終わる人も30回で終わる人もいて様々です。放射線治療は、内容も回数も患者一人一人に合わせた治療法になりますから、治療の前にきちんとした説明を受けるようにしましょう。